空へ高く、そして宇宙へ。ロケットはどうやってあの重い機体を持ち上げるのでしょう。原理はとてもシンプルです。
風船と同じ「反動」で進む
ふくらませた風船の口をはなすと、空気が後ろに出て、風船は前へ飛びます。ロケットも同じ。燃料を燃やしたガスを後ろへ勢いよく噴き出し、その反動で前に進みます(作用反作用の法則)。
空気がなくても進める?
はい。ロケットは自分でガスを噴き出して進むので、空気を押す必要がありません。だから真空の宇宙でも進めます。飛行機との大きな違いです。
宇宙へ行くには「軽くする」工夫
宇宙まで届くには、大量の燃料が要ります。でも燃料の入れ物まで最後まで運ぶのはムダ。そこで**使い終わった段を切り離す「多段式」**にします。
← 図は横にスクロールできます →
下のデモで、点火から段の分離、軌道到達までを体験してみましょう。
🚀 ロケットを打ち上げてみよう
ボタンを押すごとに、点火→段の分離→軌道へと進みます
スタンバイ
全段そろってスタンバイ
使い終わった段を捨てて軽くするのが「多段式」。宇宙に届くための工夫です
液体と固体の燃料
- 液体燃料:推力を細かく調整でき、止めたり再点火もできる(多くの大型ロケット)
- 固体燃料:構造が簡単で大きな推力を一気に出せる(補助ブースターなど)
用途に合わせて使い分け、時には組み合わせます。
ロケット打上げまでの流れ
打上げ当日
燃料充填
直前に注入
カウントダウン
最終チェック
点火・離昇
エンジン全開
軌道投入
衛星を放出
打上げ後、上昇中に起きること
← 図は横にスクロールできます →
打ち上がったロケットは、数分のあいだに次々と役目を終えた部品を切り離します。
- 段分離:燃料を使い切った段を捨てて軽くする
- フェアリング分離:衛星を守っていた先端のカバーを、大気圏を抜けたら開いて捨てる
- 軌道投入:目標の軌道まで来たら、衛星をそっと放出
なぜ射場は南の海ぎわ?
地球の自転を利用して東向きに打つと効率がよく、万一のとき破片が海に落ちるよう、多くの射場は東〜南に海が開けた場所(日本なら種子島など)にあります。
再使用ロケット:使い捨ては「もったいない」
ロケットの一番高い部分は、エンジンが並ぶ1段目。従来はこれを海に捨てていました。何百億円もする機体を毎回捨てるのですから、打上げは超高額でした。
1段目を「着陸」させる
SpaceXのFalcon 9は、切り離した1段目を噴射で減速し、そのまま垂直に着陸させて回収。整備して再び飛ばします。飛行機のように「使い回す」発想です。
どれくらい安くなった?
機体を再利用できるぶん、打上げコストが大きく下がりました。これが数千機の衛星を打ち上げるコンステレーション時代を可能にしました。
次は「完全再使用」
SpaceXの巨大ロケットStarshipは、1段目も2段目も両方回収する完全再使用をめざしています。実現すれば宇宙輸送はさらに安く。ただし2026年時点でも開発途上で、技術的な課題が続いています。月をめざすNASAのアルテミス計画も、着陸機の準備状況を見ながら進んでいます。
Falcon 9
1段目を着陸・再利用(実用化)
低コスト化
衛星大量打上げを実現
Starship
完全再使用に挑戦中
📚 もう少し詳しく(背景)気になる人向け・タップで開く
ロケットが飛ぶ原理は、実はとてもシンプルで、「後ろに勢いよく物を投げると、その反動で前に進む」——ニュートンの作用・反作用の法則そのものです1。ロケットは燃料を燃やしてできた高温ガスを猛烈な速さで後方へ噴き出し、その反動で前へ加速します。ここでよくある誤解が「ロケットは空気を押して進む」というもの。
実際は逆で、空気は要りません。むしろ空気のない宇宙のほうが抵抗がなくてよく進みます。だからロケットは、燃やすための酸素も自分で積んでいく(酸化剤)のが特徴です2。もう一つの要が、燃料の大半を「自分自身を加速するため」に使う効率の悪さ。だから多段式にして、燃え終わったタンクを次々に捨てて身軽になりながら加速します。
花火や風船が飛ぶのと同じ原理が、地球の重力を振り切って宇宙へ届く技術の根っこにあるのです。
つぎに読むなら
- 再使用ロケットが変えたこと
- なぜ衛星は落ちないの?
- ロケット打上げの流れ
