直近1週間のトピック
- 中国LandspaceのZhuque-3ロケット、軌道到達後の初の陸上回収に成功: 中国の商業ロケット企業Landspace(藍箭航天)が再使用型ロケット「朱雀3号」の2回目の打ち上げを行い、軌道投入に成功したのち第1段を陸上へ着陸回収。軌道到達実績のあるロケットとしては中国初の陸上回収成功で、再使用ロケット競争が米国以外にも広がっていることを示した(SpaceNews、Space.com)。
- SpaceXのStarlink衛星が軌道上で11,000機を突破: カリフォルニア・ヴァンデンバーグ基地などからの相次ぐファルコン9打ち上げにより、運用中のStarlink衛星数が11,000機を超えた。SpaceXは打ち上げ回数でも通算100回に迫るペースを維持している(Spaceflight Now、KeepTrack Space Brief)。
- JAXAがH3ロケット9号機で準天頂衛星「みちびき7号機」の打ち上げに成功: 台風接近による延期を経て8月11日に打ち上げが行われ、日本版GPSとも呼ばれる準天頂衛星システムの新衛星を予定軌道に投入。首相談話でも成功が発表された(JAXA、sorae)。
- Blue Origin、より大型のNew Glenn向けにケープカナベラルへ第2射場の建設を発表: 5月の地上燃焼試験中の爆発事故からの復旧を進める中、原因究明(エンジンの不具合特定)と並行して新射場建設に着手したことを発表し、増産・打ち上げ頻度向上への布石とした(AIAA)。
直近1ヶ月の動向変化
- Blue Origin、New Glenn爆発事故の原因をエンジン不具合と特定し復帰準備が加速: 5月末の地上試験中の爆発事故を受けて機体・射場の被害調査が進められていたが、8月上旬にエンジン系統の問題が原因と特定されたと発表。NASAの有人月着陸計画(Blue Moon)にも影響したこの事故からの回復が、今後の打ち上げ再開の焦点となっている(Spaceflight Now、Space.com)。
- 日本のQPS研究所(iQPS)が小型SAR衛星コンステレーションを拡大、Rocket Labとの打ち上げ契約を追加: 8月6日にRocket LabのElectronロケットで小型SAR衛星13号機「ミクラ-Ⅰ」の打ち上げ・初交信に成功したのに続き、7月末には追加3機分の打ち上げ契約を締結。8月後半以降には18号機「スサノオ-Ⅱ」も打ち上げ予定で、日本発の商業SAR衛星網の拡張が続いている(iQPS、sorae)。
- メガコンステレーション拡大に伴うスペースデブリ(宇宙ごみ)リスクへの警鐘が強まる: Starlinkや中国の低軌道衛星群など衛星数の急増を背景に、「衛星コンステレーションが将来的なデブリ増殖(ケスラーシンドローム的連鎖)を招きかねない」との研究・報道が相次いだ。低軌道の混雑化が業界共通の課題として改めて注目されている(phys.org、Washington Post)。
- Rocket LabのNeutronロケット、2026年内デビューの実現が微妙な情勢に: Kepler Communicationsなど新規顧客との複数年契約を積み上げる一方、8月時点の報道では「年内打ち上げの実現可能な窓は狭まりつつある」とされ、開発の遅延リスクが指摘されている。新興ロケット企業の実機デビューの難しさを象徴する動きとなっている(Spaceflight Now)。
直近1年の流れ
2025年8月末のStarship第10回飛行試験成功(SpaceNews)を転機に、SpaceXは連続失敗からの立て直しに成功し、その後の第11回飛行試験でも前進、次世代のStarlink V3衛星投入に向けた実用フェーズへと移行しつつある。一方Blue Originは2026年4月にNew Glennの初の第1段再使用に成功したものの衛星投入軌道を誤るなど課題を残し、さらに5月末の地上試験中の爆発事故でNASAの有人月着陸計画にも影響が及ぶ大きな痛手を受けた(Space.com)。NASAのArtemis IIは2026年4月に無事打ち上げ・地球帰還(スプラッシュダウン)を果たし、約50年ぶりの有人月周回飛行として節目となった(NASA)。日本では2025年6月にispaceの月着陸機「レジリエンス」がミッション2で着陸に失敗した後、H3ロケットも2025年12月に不具合を起こすなど試練が続いたが、2026年に入りH3は打ち上げを重ねて信頼性を回復し、政府の宇宙戦略基金第2期(総額約3,000億円、採択企業109件)が民間宇宙ベンチャーへの支援を拡大している(JAXA宇宙戦略基金)。全体として、米中の商業ロケット再使用競争の激化(LandspaceのZhuque-3など)、Starlinkをはじめとするメガコンステレーションの規模拡大とそれに伴うデブリリスクの顕在化、そして商業宇宙ステーション(Vast Haven-1など)への移行準備が、この1年の宇宙・航空産業を特徴づけている。
出典
- SpaceX to begin Starship orbital flights - SpaceNews
- China's Landspace recovers booster with second orbital launch of Zhuque-3 rocket - SpaceNews
- SpaceX exceeds 11,000 satellites in low Earth orbit – Spaceflight Now
- JAXA | H3ロケット9号機による「みちびき7号機」の打上げ結果
- Blue Origin Plans Second Cape Canaveral Pad for Larger New Glenn - AIAA
- Blue Origin identifies engine issue behind New Glenn explosion – Spaceflight Now
- QPS-SAR13号機「ミクラ-Ⅰ」初交信成功 | iQPS
- QPS研究所、ロケットラボと小型SAR衛星3機分の打ち上げを新たに契約 - sorae
- Satellite constellations could create spiraling space debris - phys.org
- Window for 2026 launch debut of Rocket Lab's Neutron rocket 'is narrowing' – Spaceflight Now
- Starship completes tenth test flight, breaking string of failures - SpaceNews
- NASA Welcomes Record-Setting Artemis II Moonfarers Back to Earth - NASA
- JAXA宇宙戦略基金
